てぃーだブログ › お米マイスターの今日 › おこめ › 「こしひかり」は本当においしいのか?

2012年09月30日

「こしひかり」は本当においしいのか?

「こしひかり」は本当においしいのか?



おはようございます。
台風、けっこうな爪痕を残して行きましたね・・

私の住むところは大きな被害も停電もなく
時折ものすごい風に揺られる窓で怖かったものの
比較的おだやかに過ごせたと思います。

子供たちと絵心しりとり(出てきたワードのイラストも描く)などをしたり
たまってた本を読んだり、
描きかけのマインドマップに描き足してまとめものをしたりと
過ごしました。

ただ
今日は仕事なので、前回同様
家の外の後片付け等は
今回もムスメ・ムスコの仕事となってしまいましたが:^^






「こしひかり」は本当においしいのか?



さて。

今日はちょっとだけ反抗的なお話。
(・・・?  いつも?)


ごはんを読む


「どんなお米を選んでいますか?」
という質問では、大半がこしひかりという答えが返ってきます。
そして
「こしひかりだから、美味しいでしょ?」
という声もあります。


日本人が美味しいごはんと感じるポイントは
粘り・甘み・やわらかいなどというものに大きく向くのですが
その特長を持つ代表が“こしひかり”。
なので、こしひかり好きが多い=こしひかりの作付けも増える
というのは、なるほどという感じになりますよね。


ただ
その美味しいという物指しを誰かれかまわずぶつける方がいます。
その相手の方が、もし
あっさりして歯ごたえがあるようなお米が好きだった場合には
その美味しいポイントは大きくずれます。
結果
「私、みんなが美味しいという米を美味しいと思わないのですが変ですか?」
という悩みが生まれてしまうのは淋しい話です。

『 おいしい米は、個人個人で違う 』

というのは、必ずお伝えしていることで
それを知ることで、もっと“米”に興味を持つことができます。
(なので、“こしひかりだから美味しい”という論を唱える米屋は
 少し疑ってクダサイ。。。)




さて

少し違う目線のお話を。。


戦後、米不足な状況から味は二の次で国は増産を急ぎました。
この時点で品種は淘汰されます。

同時に、たくさん取るには肥料をたくさんやる
       ↓
そうすると、雑味のもとになるたんぱく質が米に残って美味しくない
       ↓
まもなく、米が余る時代になって
今度は“美味しい米”を作るというので、また品種が淘汰された


というお話を聞いたことがあり、面白いと感じました。

今、日本でもっとも有名な米は
「こしひかり」でしょう。
北海道・青森・沖縄を除くほとんどの県で作付けされているほどです。
そして、品種改良で生まれた新しい子にも
その血が入っているものが実に多いということは知ってますか?
人気ブランドとしてあげられる
ひとめぼれ・ヒノヒカリ・あきたこまち・はえぬき、
そのいづれもこしひかりの子や兄弟という関係になり
日本の米3分の2がこしひかりファミリー♪

そんな中でも大きいのは
魚沼郡こしひかり。
本来その地域にあった米というのがあるはずなのに
こしひかりブームとなり地域性に関係なく扱われ始めました。
その後から
消費者はこしひかりなら、どこ産でも旨いと思い込むように・・
産地でも、こしひかりに執着するあまり
どんなに高く評価される可能性のある品種も
知名度があがらずに業務用行きになってしまうのも
よくある話です・・

その土地に合った、というのはすごく重要で
北陸・東北にあったこしひかりを、九州で作付けすると、
本当ならば本来の良さは少ないはず。
逆に、秋田の気候にあっていたあきたこまちを
関東で栽培したところ
収穫時期の違いによって品質の落ちたあきたこまちが
低価格で販売されてしまった
=あきたこまちのブランド力の低下となったという。。


80年代までこしひかりと人気を二分してたのは
ササニシキ。
現在は温暖化の影響で激減しているのですが
日本の食文化の変化によって
嗜好の傾向の変化が関係していると考える人は少なくないのです。


それぞれがおいしいと思うポイントを胸はって言えるような
そんなお米ライフを送ってほしいのですが^^

以前、農家直送の
・富山産こしひかり
・富山産日本晴
の2種類を扱ったとき、もともとこしひかりの好きな人たちは
声をそろえて、こしひかり推奨派となりました。
その声の大きさで、少数である日本晴派は小さくなるしかできませんでした。
私個人的に日本晴は好みだったので推してはいましたが
それも小さな力で終わってしまいました(涙)。

のちのち

その好みの違いが把握できないために
「マイスターだから、どんなまずい米でもどうにかいいとこを探して
 美味しいって評価だすんだろ」
という言葉には、あきれてしまいましたが・・
私にも、食べ続けるのがつらいと思うようなお米に出逢うこともありますし、
それらに対して客観的に評価していかなくてはいけないと考えます。
私が「・・・」と思っても、これを良しとする方もいるはずですから。


少し逸れてしまいました:^^


講座をしていて、以前よりは少なくなった気はするのですが
今も「米についてる点数って何?」
という質問はあります。

米の品質を見るときは
粒の形や色などで等級を分ける「品位」
味覚にかかわる「食味」
というふうになる。
で、粘りが強いとか香りがいいとかを
検査機器で測るのですが
そこで点数をつける基準のその価値が
こしひかりを100として、遠いものをゼロとする、
こしひかりが物指しになっているという話を
前に耳にしたことがあります。

ということは

ここでも、アンチこしひかり派にはそれを逆に目安にすることを
オススメするべきかもしれませんね・・
米の仕入れで相談する営業の方に
「OOとOO、どっちが美味しいですか?」
という、けっこう意地悪な質問をしたことがあります(笑)

少しとまどったあとに彼は
「炊飯値の点数はOOが高いので人気ですが
 僕個人的にはOOが美味しいと思います」
素晴らしい営業マンですね(▽//)






「こしひかり」は本当においしいのか?




米好きの 米好きのためによる 米好きのための提案



こしひかりだから美味しい、ではなく
それぞれの好みは違うのを覚えててください^^

もちろん
こしひかりを批判するつもりはありません。
甘くてつやつや、もっちりしたその特徴は
素晴らしいものです。

ただ

それとは違う特徴をもったお米もたくさんあり
良さもたくさんあるんだということです。

実は、こしひかりちゃんが栽培しにくい特性もあるので
近年の環境の変化で、もしかすると消え行く品種になる
可能性もあるかもしれません。
なので、そうではない my best ごはんを見つけててもいいかな♪
産地や品種、栽培方法、生産者という大きな枠組みを
視点に加えてもいいかな♪
というのを感じる今日この頃です。





「こしひかり」は本当においしいのか?




明日から10月。
市場では新米の動きが例年に比べ、ややゆっくりではありますが
着実にその出番を待っていますピース
私の手元にも、いくつか集まった新米のサンプルやお話があるので
選定中でございます。
何を放出するかはお楽しみに♪


「こんにちは♪ こしひかりのライバルOOOOOです」

というコがいれば、またご紹介しますね(笑)。



同じカテゴリー(おこめ)の記事

Posted by こめなな at 10:09│Comments(0)おこめ
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。