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2010年11月08日

田を、一晩で全滅させる虫

田を、一晩で全滅させる虫


さて

これは何でしょう?


ミステリーサークル?





でもありません:^^





ある虫の仕業で、たった一晩でこうなってしまうのです。

そう、一晩で田んぼ全体をこうすることも可能な虫・・・

稲の茎の養分を吸い取ってしまうのです。





田を、一晩で全滅させる虫


「トビイロウンカ」


先日、某TVのニュース番組で

各地で被害が拡大しているという状況が取り上げられていました。

それによる被害は日本で約52億円、アジア全体だと一体どれだけの被害総額になるのでしょうか。


このトビイロウンカ、中国から海を渡って日本に来ます。

そこでは、従来より2倍の収量のあるハイブリッド米が主流で栽培されるようになってきました。

しかし

このハイブリッド米、虫への耐性が弱く

そのために大量の農薬の使用を行うことになります(映像でも流れておりました)。





何がおこるのか。





品種改良を行うように

トビイロウンカでも、「農薬への耐性を持つものが生き残る」のです。

(中には、農薬を1000倍でも効かないものまで存在が確認されている、と。)


しかしながら、このトビイロウンカ

時速はほんの4kくらいで23時間の連続飛行はできるそうですが

大陸から日本までの約1200kをどう渡ってくるのでしょう?





なんと 

”下層ジェト気流に乗って時速50k、1日で日本に到着する”

というから驚きです。





その生態も、「よくできてるな~」と感心させられていまいました。。。

2つのタイプがいて

・飛べないが繁殖力の強いタイプ

・飛べるが繁殖力の弱いタイプ

6月頃、飛べるタイプがやってきて

実はそのあと1ヶ月で繁殖力の強いタイプに変わっていく、ということ。

そこからは6月~9月までに1匹から、およそ1000倍ものトビイロウンカが増殖していくそうです。





昔から

このトビイロウンカを追い払う「絵」による記録もあるほど

悩ましいものですが

これに対する害虫と、農薬で防ぐしか方法はないのでしょうか?



実は

稲の中には、このトビイロウンカが液を吸えなくなるという性質を持つ稲があるそうです。

その成分が”オリガオフィシナリス”

東南アジア原産の野生種に含まれる遺伝子で

これを使って改良をしていく研究もされているとか・・・

(遺伝マーカーの遺伝子組み換えではない説明はしていました)




私の師匠も

よく、ウンカの被害が怖いと話していたのを思い出します。

この番組は

子供達とのチャンネル争いで負けてしまい

最後まで観ることができなかったのですが

虫からしても、生存していくために必要だったことなのですが

問題は

「収量を得るために 大量の薬品を投与する」こと。

日本にも

安く手に入る外国産米が多く購入できるでしょう。

食味的にも、日本人にも合うようになってきていると思います。

社でも話題になったことがあるのですが

TPPで、もし低価格の米が主流になってしまったら?

米屋の存続にも関わりますが(笑)

問題は”何が使われているかわからないものを日本人が食し

品質の良い日本の米を外国の人が食す”未来があるかもしれない、ということ。

まぁ、極端な例ではありますが

日本の米は今、外国では人気があがってきていることは事実です。



「安いものの裏にあるカラクリに 気づいてほしい」

そんな師匠の言葉を

切に感じる時間でした。






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Posted by こめなな at 00:07│Comments(9)おこめ
この記事へのコメント
トビイロウンカ、繁殖の勢いすごいですね。

「安いものの裏にあるカラクリに 気づいてほしい」

これは常々意識していることです。

必ずしも高いものがいいとは限らない。
けれど、安いには安いなりの理由があるんですよね。

虫や病気は自然のバランスを取り戻すための
大切なプロセス、とする考えもあります。
(河名秀郎 『ほんとの野菜は緑が薄い』 より)

量より質。
消費者が賢くなって、正しい品質を選ぶ目を
もたなければならないですね。
Posted by AsakoAsako at 2010年11月08日 00:39
毎度!
こんばんは

昨日の秋の節分

今日の記事

勉強になります。

これから、宜しくお願いします。

又、愉多志来!
Posted by コスト見直し隊長コスト見直し隊長 at 2010年11月08日 01:53
そうですよね、
安いものの裏側にある事実、
これは、見えて来ないんですよね。
不透明な米を日本人が食べて、
質のいい米を外国人が食べる、、
ほんと、そうなる可能性、ありだと思います。
安いに越したことないけれど、
でも、安心して食べるためには、
多少、割高でも、そっちを選びたいですわ。
Posted by す〜み〜☆ at 2010年11月08日 08:42
お米博士ですね。

「おかげさん」という
秋田こまちのお米の袋に遊書させていただいています。

お仲間の人とネーミングして
伊勢神宮にお参りして書きました。

彼は秋田の生産者さんです。
山内さんというのですが
丸坊主で米粒みたいお米そのものの人です

今年も新米はおいしかったです。
Posted by 字 at 2010年11月08日 09:26
◆「Asako」サマ♪
そうなんです(^^)
高いから良い、のではなく
なぜ安いのかと同じように
なぜ高いのかも見る必要がでてきますね。
大変ではありますが
この情報化社会、見極める術を養わなければ・・・と
思います:^^

いつも ありがとございます。




◆「コスト見直し隊長」サマ♪
こちらこそ
いつも ありがとうございます(^^)

お米の「へぇ~」が増えれば良いな♪
と願っております。
また 遊びにきてくださいませ。



◆「す~み~☆」サマ♪
補足としまして。。。
普通に栽培されているお米の農薬が果たす役割と同じことを
有機栽培で目指すには、約倍量の資材集めのために
コストがかかってしまい割高になってしまいます。
でも、これは「次世代につなぐ」ことも含まれる金額です。
それは”土を生かす”からです。
長い目で見てのカラダ・子孫への影響も考えて
私達は生きていかなくてはいけないのでしょうね(^^)

熱くなってしまいました(汗)

いつも コメントありがとうございます☆




◆「字」サマ♪
はじめまして(^^)
コメントありがとうございます。

秋田のあきたこまち♪
私はあきたこまちの香りが好きです!!
お米の袋に遊書なさっているなんて
素敵ですね。
「おかげさん」
良い言葉です。
Posted by こめななこめなな at 2010年11月09日 00:31
こめななさん

カタカナが多く、わけがわからなくなってしまうのは自分だけでしょうか。

それはさておき、TPPよりも深刻な問題ですよね。
また、薬品も良くないですよね。

人間の都合が多いように思うのは自分だけでしょうか。

今日は米ネタで白熱ですねぇ。

勉強になりました。
ありがとうございます。


Shinoda
Posted by shinodashinoda at 2010年11月09日 01:02
◆「shinoda」サマ♪
カタカナ文字…
書いてる私も悩みます(笑)
おっしゃるように、人間の都合でここまで来たのではないか、と私も感じます。この日のキャスターも同じようにコメントしておりました。
私達が日頃、気にしていない部分での動きも
考えていかなくてはならないかもしれませんね。

いつも コメントありがとうございます。
Posted by こめなな at 2010年11月09日 10:15
こめななさん

字サマは楽書字遊人です。
8日、東京のホテルで時間があったので
コメントいれてみました。
初めて、外でPCを操作しましたので
字だけになったみたいです。
ごめんなさい!
Posted by 楽書字遊人楽書字遊人 at 2010年11月09日 15:33
◆「楽書字遊人」サマ♪
やっぱり〜(笑)
何度も読み返しつつ、
「似てるけどなぁ」と思いつつ、字サマ宛てへ。

勘が合ってて嬉しいです♪
Posted by こめなな at 2010年11月10日 12:43
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